2005年4月21日

日本の新聞で、中国での反日デモに関する報道を読むと、確かに大変な事態だということが感じられます。特に注目されるのは、戦争を経験していない若い世代が、多くデモに参加していることです。これは、教育によって若い世代に反日思想が広がりつつあることを意味しています。あるドイツの新聞特派員も、これまでインターネットなどを通じてこれほどの規模の若者が動員されたことは例がなかったと書いています。

過去60年間の、日本と中国がそれなりに行ってきた友好のための試みは、水の泡と消えてしまったのでしょうか。戦後60年目にして、ドイツが周囲に全く敵がいない状態にあるのとは、かなり大きな違いと言えるのではないでしょうか。なぜ日本と中国は、両国の間の不幸な歴史について、過去60年間に、理性的な話し合いを怠ってきたのでしょうか。日中双方とも、多大な時間をむだにしてきたような気がしてなりません。

特に中国側が、世界経済の中で比重が高まっていることを意識して、これまでに見せなかったような、強い姿勢に出てくる可能性があります。これで日本政府は、国連安保理の常任理事国になるという希望などは、はやめに捨てた方が良いでしょう。国連安保理の常任理事国になりたいならば、日本は様々な努力によって、アジアにもっと多くの友人を作っておくべきだったのではないでしょうか。単にアメリカだけと仲よくするだけでは、国際社会での尊敬を勝ちうることはできません。

ヨーロッパの平和な状態を見るたびに、アジアについてこうした感想を持ってしまうのです。